ロシアン・リヴァー・ヴィンヤーズは、ソノマのロシアン・リバー・バレー地区中心部にある、1964年設立のワイナリー。1963年に開墾された葡萄畑は、今も変わらず有機的かつサステナブル農法を。2008年に現在の所有者に代わったが、ワイナリー建屋は1890年代に建てられた農家を利用したもので、同ワイナリー内の畑で採れたオーガニック食材と共にワインを楽しむことができる。その風情は濱本純の『ソノマのワイン休日』（2018年出版）でもワイナリー＆レストランとして紹介されているが、コロナ禍後はパティオで食事しながらワイン・テイスティングできるワイナリーとして脚光を浴びている。ワインメーカーは共同所有者の一人、ジョバンニ・バリストレリ。彼は農家の4代目として幼少の頃から農場で働きつつ、大学ではワイナリー経営とワイン・マーケティング他を学んだ。その後、アンソニー・オースティンの指導の下でワイン造りを学び、2008年から彼と共にこのRRVチームに加わった。2012年に同ワインメーカーに就任したジョバーニは、「優れたワインは優れた葡萄から生まれる。ワイン造りの妙味は葡萄の個性を表現させること」がモットーの下、葡萄畑を直接管理し、最高のワインを造っている。2014年より数々の賞を受賞し、名門ロシアン・リヴァーAVA名を背負ったワイナリーとして注目されている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ワイン名“チェスター”は、共同経営者クリス・オイールによりボルチモア市の通りから拾われたワイナリー犬の名前。チェスターは非常に社交的な犬で、ワイナリー訪問者を親しみを持って出迎え、同ワイナリー・ツアーに同行するのも大好きだったという。このチェスターとワイナリー訪問者との日々を称えてつくられたワイン。売り上げの一部は動物救助NPOに寄付されている。
　　　
葡萄は、カリフォルニア洲沿岸の自然な酸味を維持するシャルドネとピノ・ノワールの栽培に適した冷涼AVA、更にはその中でも選び抜かれた葡萄畑からの物だけを使用。シャルドネ８：ピノ・ノワール２の比率で、葡萄本来のアロマを生かせるステンレス・タンクで二次発酵を行う、シャルマ製法でつくられた辛口スパークリング・ワイン。Alc.は低めで、様々な果実のさわやかな香りと洗練された泡立ち、ソフトで調和のとれた生き生きとした味わいが魅力。